F教養講座 中国帰国子女の指導をとおして思うこと
講 師: 元春日中学校長
上村 武先生
上村先生は南橘中学校に8年間勤務したことのある先生です。
昭和47年、日中の国交が回復し、中国残留孤児、残留婦人等の日本への帰国開始から既に32年が経過しました。群馬県への帰国者は、昭和48年を最初とし、平成10年来日まで114番目になるそうです。
群馬県に最初に帰国した少年が、先生が当時勤務していた前橋市立養護学校に編入してきた時から、教員生活を終えて13年目になる現在まで、引続き、中国帰国者の自立を助ける仕事にかかわっています。
日本語の全くわからない少年に授業を行うということは予想もしないことでしたが、突然これが仕事になり、必要にせまられ中国語を勉強したそうです。そして今日にいたるまでのお話を聞かせていただきました。
日本語がわからないための誤解やいじめ、文化習慣の違いによる誤解等々のほか、帰国5年を経過した生徒の「少年の主張群馬県大会」に出場した文章などを聞きました、その文中から、「残留孤児の問題は戦争に問題があり、この日本がこれから、もう二度と戦争を起こさない平和な国でありつづけるよう願っています。そして、私はこれからも一生懸命勉強をつづけ残留孤児の人たちのために役立つ人間になりたいと考えています」と紹介されました。