荒牧町の北部、富士見村横室に、樹齢1,000年余りのカヤの木がある。高さ約25メートル、根元の周囲約13.2メートルもある巨木である。国指定の天然記念物になっているが、近づいてみるとその大きさに圧倒されると共に、木から発する霊気さえ感じられる。古木や巨木が持ってる「樹の力」とも言えるかも知れない。こうした古木を見るにつけ、多くの人たちは畏敬の念とある神秘さを感じるに違いない。
前回は養田弘さんと山田光一さん宅の古木を紹介させて頂いたが、この他に是非忘れてはならないのが、桃川小学校と荒牧神社の古木であろう。
桃川小学校の校舎前に、見るからにずっしりとした葉を繁らせる立派なタブの古木がある。根元の周囲は3.6メートル近くもあり、卒業生の古老達は在校当時もかなりの大きさであったと話している。同校は明治6年開校当時の日輪寺付近から、その後明治41年に現在の地に新たに建設され、100年も経過している。その時に、この地に移植されたとすれば、かなりの年月を経過したことになる。桃川小学校には、この他に古い年月を感じるイチョウ、センダン、ケヤキ、サクラなどがあり、同校の永い伝統の中で多くの卒業生を見守って来たのであろう。
また、荒牧神社の境内にも御神木としての2本のイチョウの古木がある。根元の周囲は、それぞれ約3メートルあり、高さも16メートルに達している。昭和51年市の指定樹木になり、荒牧町にとっても大切な木である。区画整理による神社の移転の際、この2本のイチョウも移植された。3年も前から根回しの作業が始められ、移動には大型の重機を使用し、その費用もかなりの額になったとのことである。その後枯れてしまうのではないかとの心配もあったが、無事に根付いて、今では秋ともなれば見事に黄金の葉を見せてくれている。